悪意の受益者[あくいのじゅえきしゃ]とは?
過払い金の返還請求を消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などの貸金業者に対して行う場合、不当利得返還請求権(民法第704条)にもとづき、利息を付けて請求することができます。
この場合、貸金業者が過払い金を返還する際に、利息制限法を超える利息を受け取る法律上の根拠が無いこと(つまり、みなし弁済の要件を満たしていないこと)を知っていた場合、貸金業者は「悪意の受益者」に該当します。
そのため、過払い金の元金に利息を付けて返還しなければなりません。
以前は、貸金業者から契約者(債務者)との取引の際に貸金業法17条に定める、いわゆる「17条書面」を交付していたことを理由に、利息の返還を拒否してくるケースがありました。
しかし、平成23年12月1日、15日に出された最高裁判決の通り、所定の要件を満たした書面が交付されたケースはなく、貸金業者の主張が認められることはまずありません。
また、利息が発生する時期は、貸金業者と契約者との最終取引日からではなく、法定金利での引き直し計算を行い、過払い金が発生した時点から利息が発生するのが実務上確立した扱いです。
なお、ここでいう「悪意」とは、「善悪」の悪意ではなく、「知っていた」ことを指す法律用語ですので、注意してください。