異時廃止[いじはいし]とは?
異時廃止とは、破産手続の中の手続きの1種です。
同時廃止とは異なり、裁判所から破産管財人が選任されます。また、破産管財人が財産調査などを行うも、配当を実施するほどの破産財団が形成できなかった場合に、裁判所はこの手続きを採用します。
異時廃止決定が下されると、債権者からの異議がない限り、免責許可決定が下され、借金を返済する義務が無くなります。
もちろん、消費者金融やクレジット会社などの信販会社、銀行などの金融機関(貸金業者)から督促や取立てが来ることもありません。
異時廃止の手続きの簡単な流れ
- 破産管財人の選任
破産者に一定以上の財産があったり、破産者の財産や借金の金額が多額であるなど破産原因に関して調査の必要があると場合、裁判所は破産手続開始決定と同時に、破産管財人を選任します。
- 破産管財人による財産調査
破産管財人は、破産者が財産を隠していないか、回収可能な債権があるのかなどの調査を行います。また、裁判所に申し立てられた内容に誤りがないかの確認も行います。
- 異時廃止決定
破産管財人による調査の結果、配当を実施するほどの財産がない、または、通常の債権に優先して支払われる公租公課(税金など)の滞納額が多額の場合は、配当を行わず、債権者集会で債権者の意見を聞いたうえで、異時廃止の決定を行います。
なお、破産手続開始決定から異時廃止の決定が出されるまでに要する期間は、ケースバイケースですが、第1回目の債権者集会が開かれるとき、つまり、破産開始決定が出てから2~3か月前後であることが多いです。