破産手続開始決定[はさんてつづきかいしけってい]とは?
裁判所に対して自己破産を申し立てたとしても、ただちに破産手続きが開始されるわけではありません。
裁判所は、書類審査などを経て、下記の3つの要件を満たす場合に破産手続開始決定をくだします。
- 支払不能や債務超過であること
個人の自己破産の場合は「支払不能」であることが必要であり、法人の自己破産の場合は「支払不能」に加えて「債務超過」であることが必要です。
目安として3年かけても完済できないほど借金がある場合をイメージしてください。 - 破産障害事由がないこと
たとえば、自己破産の申立後に必要な予納金を納付していない場合や、個人再生など破産とは別の手続きがすでに開始されている場合は、破産障害事由に該当します。
- 破産申立が適法であること
自己破産を申し立てた人に申立権が認められるか、破産者に破産能力があるかなどの形式面が検討されます。
また、破産手続開始決定が出されることにより、下記の効果が発生します。
- 破産者が所有する一定の財産管理や処分権が破産管財人に移転する
- 債権者は、破産者に対して直接の督促や取立が出来なくなる
- 破産者の居住が制限される
- 破産者は、裁判所や破産管財人に対して、破産手続きに協力し、説明する義務を負う
- 破産者は一定の職種・資格に関して、制限を受ける(資格制限)
- 官報に記載される
なお、破産手続開始決定が出たとしても、すぐに免責されるわけではなく、免責審尋や債権者集会などの諸手続きを経て、はじめて免責されます。