買取屋［かいとりや］とは？
お金を貸す代わりに、ブランド品や新幹線のチケットなどの換金性が高い商品を購入させ、手数料を差し引いた金額でその商品を買い取ろうとする業者のことです。
買取屋は、「クレジットカードの現金化」といった広告を出し、新たな借り入れができなくなった多重債務者などに買い取りを持ち掛けます。
多重債務者など現金がすぐに必要な人にとって買取屋は便利かもしれませんが、違法かつ詐欺的な悪徳業者が大半ですし、分割払いやリボ払いにより購入すると借金が増え続けてしまいます。
また、自己破産ができなくなる可能性がある、罪に問われる危険性があるなど、デメリットが非常に大きいため絶対に利用してはいけません。
（1）買取屋の手口
買取屋が行うクレジットカードの現金化は、大きく「買取式」と「キャッシュバック式」に分けられます。
買取式は、ブランド品や新幹線のチケットといった換金性の高い商品をクレジットカードで購入させ、買取屋がその商品を買い取る方法です。
キャッシュバック式は、買取屋が指定する商品を購入させ、購入特典として業者からキャッシュバックを受ける方法です。
買取式とは異なり、キャッシュバック式で購入する商品は換金性が低く、購入者は現金化ができないケースが大半です。
（2）買取屋が利用される背景
買取屋がクレジットカードの現金化商法を行う背景には、2010年6月の改正貸金業法の完全施行時に導入された「総量規制」が関係するとの指摘があります。
総量規制とは、個人の借入額を原則として年収などの3分の1までに制限する制度です。
クレジットカードのキャッシング利用枠は総量規制の対象ですが、ショッピング枠は対象外となっています。
そのため、複数の消費者金融などから借金をしており、新たな借り入れができない多重債務者は、ショッピング枠を利用して商品を購入し、買取屋を通じて現金化するのです。
（3）買取屋を利用する危険性
買取屋の利用については、次のような危険性があります。
- 金銭的な損失が大きい
買取屋はクレジットカードで購入した商品について、最初は購入額の95％など高い金額で買い取ります。
そして、何度か利用しているうちに、手数料が発生するなどとして、購入額の90％、80％と買い取り額を引き下げてくるケースが大半です。また、分割払いやリボ払いを利用して商品を購入している場合、利息が別途かかるため、借金がどんどん増えてしまうことになります。
さらに、クレジットカードの会員規約などで、現金化を目的としたショッピングを禁止しているカード会社は少なくありません。
そのため、クレジットカードの現金化が発覚すると、規約違反として強制解約になったり、利用分の一括払いを請求されたりするケースがあります。 - 違法な悪徳業者によるトラブルや犯罪に巻き込まれる
買取屋が古物商の許可を得ている場合、商品の買い取ることそれ自体は違法ではありません。
しかし、クレジットカードの現金化商法は実質的に貸金業であり、手数料の金額が法定金利を超える場合、出資法や貸金業法に違反する可能性があります。実際、出資法や貸金業法に違反したとして逮捕される買取屋も少なくないため、利用者がトラブルに巻き込まれるおそれがあるのです。
また、違法な悪徳業者を利用したことで、そもそも現金が支払われない、利用時に登録した個人情報が流出するといったリスクもあります。利用者自身が罪に問われる可能性がある点にも注意が必要です。
たとえば、クレジットカードで購入した商品は、決済が完了するまでカード会社に所有権があるので、決済の完了前に転売すると横領罪などに問われる危険性があります。 - 自己破産が認められない可能性がある
借金の返済が困難な場合、自己破産をすることで借金の返済が免除（免責）されます。
しかし、クレジットカードの現金化を行なってしまうと、自己破産が認められない「免責不許可事由」に該当する可能性があるのです（破産法第252条2項）。
（4）借金の返済が困難なら弁護士に相談を
繰り返しになりますが、新たな借り入れができない人にとって、買取屋は便利に思えるかもしれませんが、リスクが大きいため絶対に利用してはいけません。
借金の返済が困難になってしまった場合、買取屋などの違法な悪徳業者を利用するのではなく、まずは弁護士に相談しましょう。
弁護士であれば、借り入れ金額や収入などを踏まえ、任意整理や自己破産、個人再生といった債務整理の手続きのなかから、最適な方法を提案してくれます。
弁護士法人プロテクトスタンスは、借金問題に関して無料で弁護士に相談できますので、まずはお気軽にご連絡ください。