過払い金返還請求のデメリットについて教えてください
過払い金の返還請求は、残っていた借金が減額されたり、ゼロになったり、お金が戻ってくるといった大きなメリットがあります。
しかし、デメリットも幾つかあります。
①借金を返済中の場合は、信用情報機関に登録される
借金が残っている状態で貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社など)に過払い金の返還請求を行った場合、利息制限法にもとづく引き直し計算を行っても、借金がゼロにはならずに債務が残ってしまうことがあります。
過去の借り入れや返済などの取引の内容により、過払いの状態なのか、債務が残った状態なのか貸金業者と争いになることもあります(分断取引や一連取引など)。
この場合、残った債務は任意整理により分割返済していきますが、弁護士を通じて契約変更(債務整理)を行ったという事実が信用情報機関に登録されてしまいます。
つまり、いわゆる「ブラックリストに載る」と言われてしまう状態になるのです。
そのため、その貸金業者では、今後新たなローンが組めなくなったり、クレジットカードが作成できなくなったりするデメリットが発生します。
なお、借金を完済した後の過払い金返還請求には、このようなデメリットはありません。
②過払い金を満額回収するには時間を要すること
残念なことに、最近の消費者金融・クレジットカード会社は、話し合いでの交渉では、本来返還すべき過払い金の金額を大幅に減額して提案してきます。
そのため、裁判に訴えた方が、請求額に近い金額での回収が実現できます。
しかし、裁判所では1か月に1回程度しか法廷が開かれないこともあり、最終的に手元に過払い金が返還されるまで1年程度の時間を要する場合もあります。