グレーゾーン金利[ぐれーぞーんきんり]とは?
利息制限法で定められた上限金利である15~20%と、旧出資法で定められた上限金利である29.2%との間の利率のことです。
消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者が、利息制限法の上限を超えた利息を取っていた場合、民事上はその超過部分は無効となります。
しかし、貸金業規制法で定められた要件を満たした場合は、利息制限法を超える利率も有効であるという規定(みなし弁済)がありました。
そして、旧出資法で定められた29.2%の利息を超えなければ、刑事罰が科せられることもありませんでした。
このように、利息制限法の上限を超えた違法な金利であったとしても、出資法の上限金利を超えなければ罰せられないという灰色の状態の金利が存在していました。そのため、「グレーゾーン金利」と呼ばれていたのです。
多くの貸金業者は、長年グレーゾーン金利での利息を設定し、違法な高金利を取り続けてきました。
しかし、返済が困難となる多重債務者が数百万人にのぼるなど深刻な社会問題化しました。
この点、最高裁はみなし弁済を否定する判断(最高裁平成18年1月13日)をくだし、平成22年(2010年)には、出資法の上限金利を利息制限法と同じにする改正貸金業法が施行されました。
これにより、現在ではグレーゾーン金利は廃止されています。
そして、このグレーゾーン金利で支払った利息は、本来支払う必要のなかったものですので、払い過ぎた利息(過払い金)として、貸金業者に返還請求することができます。