懈怠約款[けたいやっかん]とは?
借金の返済が契約内容通りに行われなかった場合、貸金返還請求事件などの金銭の支払いを巡るトラブルになります。
このような、金銭の支払いが滞った場合に備えて、あらかじめ損害賠償などについて契約書に定めておく文言を懈怠約款と呼びます。
裁判外・裁判上を問わず、和解が成立した場合、特に金銭の支払いについて分割払いとなったときには、和解書に必ず懈怠約款を盛り込んでおかなければなりません。
たとえば、消費者金融や銀行、クレジットカード会社など信販会社からの借金の返済が滞ってしまった場合、彼ら債権者から貸金返還請求訴訟を提起されてしまうことがあります。
ここで、毎月10万円を3年間分割して支払う内容で合意した場合、債権者は「分割金の支払いを2回怠り、かつ、その金額が20万円に達した場合、当然に期限の利益を喪失し、その時点での残元金を一括で支払い、かつ、期限の利益を喪失した日の翌日から完済に至るまで年3%の遅延損害金を支払う」というような懈怠約款を和解書に盛り込みます。
このように、懈怠約款とは、金銭を支払ってもらう側(債権者)のために、金銭を支払う側(債務者)の未払いリスクを避けるため、合意内容に盛り込んでおく条項なのです。