個人再生（民事再生）は、裁判所を通じて行われる債務整理の手続きであり、しかも、借金が大幅に減額されることになります。
そのため、返済計画に無理がないのか、3年間（最長5年間）継続して返済することができるのか、しっかりと判断する必要があります。そこで行われるのが積立トレーニング（履行テスト）です。

東京地方裁判所の運用では、トレーニング期間は6ヵ月間です。申立書記載の返済計画にもとづいた予定額を、再生委員が指定した銀行口座に返済していきます。
もしも、期間内で、その支払いが滞るようなことがあれば、今後3年間継続して返済を続けていくことは無理である、と裁判所に判断されることになります。

なお、トレーニング期間中に再生委員に支払った返済金は、再生計画認可後、再生委員への報酬を差し引いて、再生債務者（申立人のこと）に返金されます。

ちなみに、東京地方裁判所では必ず再生委員が選任されますが、大阪地方裁判所や名古屋地方裁判所など他の裁判所では、原則として再生委員が選任されません。
そのため、積立トレーニングは申立代理人の口座または本人の積立専用口座に返済予定額を毎月積み立てて、その通帳のコピーを裁判所に提出する制度を採用しています。

そして、再生委員への報酬は必要ありませんので、積み立てたお金はそのまま債権者への返済に充てることができます。
テスト期間も3～6ヵ月程度ですし、返済能力が認められれば途中でトレーニングが終了することもあります（裁判所によって異なります）。