負債総額[ふさいそうがく]とは?
債務整理の手続きにおいて最初に行うことは、借金の総額、つまり、負債総額を把握しなければなりません。
そのためには、消費者金融や銀行からの借り入れ、クレジットカード会社や信販会社の利用分など金融機関との取引をすべて調べることが必要です。
負債総額が分かれば、今後、自分の収入の範囲で返済が可能なのか、それとも返済が困難であるのかが判断できるようになります。
これは、「借金が100万円以下だから任意整理するべきだ」とか「借金が500万円以上あるから自己破産するべきだ」などという意味ではありません。
たとえば、負債総額が100万円以下であったとしても、無職など収入がない場合は自己破産を選択せざるを得ません。
一方、負債総額が500万円あったとしても、3~5年で完済できる目途があれば、任意整理や個人再生を選択することができます。
とはいえ、金融機関との取引には、利息制限法で定める法定利率にもとづいた引き直し計算が必要であり、正確な負債総額を把握するためには、専門的な知識や技術が必要です。
この点、債務整理の依頼を受けた弁護士は、依頼者から聴き取った金融機関名にもとづいて受任通知(弁護士介入通知)を送付し、取り寄せた取引履歴にもとづいて債権者一覧表を作成し、負債総額を割り出していきます。
なお、法人が破産または民事再生の手続きを選択した場合、負債総額によって予納金の金額が変わることには注意が必要です。