借金返済・債務整理に関する用語集

奨学金[しょうがくきん]とは?

奨学金とは、経済的な事情などにより、高校や大学、短期大学、専門学校などへの進学が難しい人に援助されるお金のことです。
学校や民間企業、自治体などが独自に設けた制度もありますが、「日本学生支援機構(JASSO)」による奨学金が代表的です。

奨学金には大きく分けて、成績が優秀な人などに支給される「給付型」と、無利子、または一般的な金融機関よりも低い金利で借りられる「貸与型」の2種類があります。
給付型の奨学金は返済不要ですが、貸与型は借りることになるため返済が必要です。

貸与型の奨学金は、基本的に貸与が終了した月の翌月から数えて7か月目から返済が始まります。
たとえば、大学を3月に卒業した場合、その年の10月から返済することになります。

(1)奨学金の返済が滞った場合に生じる不利益

貸与型奨学金の返済を滞った場合、次のような不利益が生じる可能性があります。

  • 延滞している日数に応じた延滞金が発生する
  • 日本学生支援機構が委託した債権回収会社から督促の連絡がくる
  • 信用情報機関に延滞者として信用情報が登録される

このうち、信用情報機関に延滞者として信用情報が登録された場合、クレジットカードの作成や利用ができなくなったり、自動車や住宅などのローンが組めなくなったりする可能性があるので、滞納には注意しましょう。

(2)返済が難しい場合の対応

奨学金の返済が難しい場合、返済期間を延長することで毎月の返済額を減額できる制度や、返済を一時的にストップできる制度など、日本学生支援機構の救済制度を利用できます。

このような制度を利用しても返済が困難な場合は、債務整理を検討してもよいでしょう。

ただし、債務整理のうち任意整理の手続きは、ほとんど効果が見込めません。そもそも奨学金は利息の上限が年3%となっており、一般的な金融機関の利息と比べると低額だからです。
また、債権者である日本学生支援機構は利息や延滞金のカットには応じませんし、奨学金には保証人が付くことが一般的ですので、保証人に請求できるからです。

なお、奨学金だけでなく消費者金融やカードローン会社など他の金融機関からも借入れをしている場合、奨学金以外の借金を任意整理の対象とすることで、結果的に借金を減額したり、毎月の返済額を抑えたりすることができる可能性があります。

さらに、任意整理では十分なメリットが見込めない場合は、借金を大幅に減額して3年から5年かけて返済する「個人再生」や、返済そのものが免除される「自己破産」の手続きを選択することもできます。

どの債務整理の手続きを選択するべきかについては、借入れの状況や各手続きのメリット・デメリットなどを踏まえて慎重に判断する必要があり、法的な専門知識と経験とが求められます。
そのため、借金問題に詳しい弁護士に相談するようにしましょう。


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