おまとめローン[おまとめろーん]とは?
複数の金融機関からの借入れを一本化するローンのことです。借換えの形で1社の金融機関から借入れを行い、他社分の借金を返済することで、返済先を1社にまとめられます。
たとえば、A・B・Cの3社からそれぞれ40万円を借入れしている場合、新たにDから120万円を借入れ、A・B・Cの3社へ一括返済します。その後は、Dに対してのみ返済を行なっていくイメージです。
金融機関からの借入れは、ほとんどがおまとめローンの対象となっているので、ショッピングローンやリボ払いも一本化することが可能です。
しかし、友人からお金を借りたなど、個人間での借金は対象にはなりません。
(1)おまとめローンのメリット
おまとめローンを利用するメリットについて解説します。
- 金利を抑えられる可能性がある
おまとめローンを利用する最大のメリットは、元々のローンやキャッシングよりも金利を抑えられる可能性があることです。
この点、借入時の金利は利息制限法により、上限が次のように決められています(利息制限法第1条)。借入元金 上限金利 10万円未満 年20.0% 10万円~100万円未満 年18.0% 100万円以上 年15.0% 借入れの金額が増えるほど金利が低くなるため、複数の金融機関からの借入れをひとつにまとめ、1社からの借入れ金額を大きくすることで金利を低くできるのです。
- 月々の返済額を抑えることができる
金利の低いおまとめローンを利用することで、月々の返済額も抑えられるため、家計への負担を軽減させることができます。
- 返済の管理が簡単になる
返済日や返済方法は各金融機関によって異なるため、借入れの本数が多くなると管理が大変です。もし、返済が遅れてしまうと、利息とは別に遅延損害金が発生してしまいます。
そのため、おまとめローンにより借入先をひとつに集約することで、返済の管理が簡単になり、返済忘れのリスクを防ぐことが期待できます。
(2)おまとめローンのデメリット
おまとめローンの利用にはデメリットも少なくないので注意が必要です。
- 審査に通らない可能性がある
おまとめローンは新たに借入れをして、複数の借金を一本化する仕組みです。そのため、おまとめローンを利用するためには、審査を受ける必要があります。
しかし、おまとめローンを利用する人は、既に複数の金融機関から借入れているため、審査基準が厳しくなり、審査に通らないことも十分に考えられます。
- 金利が大きく下がらない場合がある
2010年に貸金業法が改正される前は、28~29%ほどの高い金利で貸付けを行う金融機関も存在しました。しかし、法改正後は利息制限法で定められた上限金利内の15%~20%の金利で貸付けている業者がほとんどです。
法改正の前であれば、おまとめローンへの切り替えで金利が大幅に下がるケースもありましたが、現在は数パーセントしか下がらないことも少なくありません。
- 借金を減らせる機会を失う可能性がある
金融機関との過去の取り引きについて、利息制限法にもとづく引き直し計算を行うと、法律の上限を超える利率で利息を支払っていたことが発覚するケースがあります。
支払い過ぎていた利息について過払い金の返還請求を行うことで、借金の総額が減るだけでなく、借金が消滅したり、逆にお金を受け取れたりする場合があるのです。しかし、おまとめローンを利用しても、利息制限法にもとづく引き直し計算が行われません。
そのため利息を払い過ぎていても過払い金の返還請求ができないため、借金を減らしたり、お金を受け取ったりできる機会を失ってしまうのです。 - 元金が減らずに返済期間が長期化する
おまとめローンを利用して月々の返済額を少なく設定すると、月々の負担を減らすことはできますが、元金がなかなか減らず返済期間が長期化してしまいます。
返済期間の長期化により利息が膨らんでしまい、おまとめローンを利用する前よりも返済総額が増える可能性があります。 - 再び借入れをしてしまう危険性がある
おまとめローンで複数の借入れを一括返済すると、これまでの借入れを完済したものと扱われます。
そして、完済した借入れ先から優良顧客と認定され、「融資枠が増えた」、「より低い金利で貸すことができる」といった案内を受けることがあります。借入れの便利さを知っているため、金融業者の案内を受けて再びお金を借りてしまうケースは少なくありません。
せっかく借金を1本化しても、また多重債務に陥ってしまっては、おまとめローンを利用した意味がなくなってしまいます。
(3)借金問題を解決するなら弁護士に債務整理のご相談を
おまとめローンは便利な仕組みに思えるかもしれませんが、決して借金問題を根本的に解決できるわけではありません。
あくまでも新たな借入れにより返済先が変わるだけであり、返済期間が長期化すれば返済総額が以前よりも増えてしまう可能性があります。
高額な借入れにより返済が困難になっている場合、債務整理の手続きを弁護士に依頼することをおすすめします。
債務整理であれば借金の減額や返済の免除により、借金問題の解決を目指すことができます。
債務整理の手続には大きく任意整理と個人再生、自己破産があります。
たとえば任意整理を行うと、弁護士はまず各金融機関に過去の取引履歴を開示させ、利息制限法に基づく引き直し計算を行います。
計算の結果、払い過ぎの利息があれば、過払い金の返還請求により借金を減らしたり、お金が返ってきたりする可能性があります。
また、各金融機関と返済条件の見直しについて直接交渉します。
具体的には、借金の総額を減らすため、完済までに今後発生する利息(将来利息)をカットすることや、毎月の返済額を抑えるために返済期間を延長することなどを求めます。
自分で任意整理を進めたいと考える人もいるかもしれませんが、不可能に近いです。
引き直し計算を正しく行うには専門知識が必要ですし、金融機関に交渉を求めても応じてもらえないケースが大半だからです。
そのため、任意整理は借金問題に詳しい弁護士に相談し、手続きを依頼することが重要です。
弁護士であれば、引き直し計算を正しく行なったうえで、過払い金があれば返還請求し、返済条件の見直しについても厳しく交渉してくれます。
借金の総額や収入、資産の状況によっては、自己破産や個人再生といったほかの手続きの方が、メリットが大きい場合があります。
この点、弁護士であれば借金問題を解決するために最適な方法を提案してくれます。
弁護士法人プロテクトスタンスでは、借金問題に関するご相談は何度でも無料としております。
債務整理の経験が豊富な弁護士が多数在籍しており、ご依頼者さまのお悩みやトラブルの解決に向けて尽力いたしますので、安心してお任せください。