借金返済・債務整理に関する用語集

夜逃げ[よにげ]とは?

夜中にこっそりと逃げるように引越しをすることです。多重債務者債権者による取り立てから逃れ、時効の成立を狙うことなどを目的として行われるケースが多いです。

しかし、夜逃げには次のようなデメリットがあるため、決して行うべきではありません。
借金の返済が困難な場合は、まず弁護士に相談することをおすすめします。

  • 日常生活でさまざまな不便がある
  • 借金がどんどん膨らんでしまう
  • 保証人連帯保証人が請求を受ける
  • 時効が成立しない可能性が高い

(1)日常生活でさまざまな不便がある

債権者に現在の所在を知られないよう、引越し後も住民票を移さないケースが少なくありません。
夜逃げをすれば債権者の取り立てから逃げられるかもしれませんが、住民票を移していないと次のような不便が生じる可能性があります。

  • 国民健康保険を利用できず、医療費が全額自己負担になる
  • 運転免許証の更新ができない
  • 育児や介護などの公的サービスや公共施設を利用できない
  • 就業を断られる場合がある
  • 役所などからの郵便物が届かない
  • 引越し先で選挙の投票ができない

また、正当な理由がないにもかかわらず、引越し日から14日以内に住民票を移さないと、5万円以下の過料という罰則を受ける可能性があります(住民基本台帳法第52条2項)。

(2)借金がどんどん膨らんでしまう

借金の返済を滞納していると利息に加えて遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、借金の返済を滞納した日数に応じて発生する損害賠償金の一種です。
返済が1日でも遅れると遅延損害金が発生し、借金を返済するまで増え続けていきます。

遅延損害金の利率は、利息制限法で定められた利息の1.46倍が上限です(利息制限法第4条1項)。そして、利息は借入総額に応じて上限が定められています(同法第1条)。

借入総額に対する利息と遅延損害金の上限は、次のように整理することができます。

借入総額10万円未満10万円~100万円未満100万円以上
利息20%18%15%
遅延損害金29.2%26.28%21.9%

なお、消費者金融などの貸金業者から借入をした場合、遅延損害金の上限は20%です(同法第7条)。
夜逃げをして借金の返済を滞納すればするほど、借金はどんどん増え続けることになってしまいます。

(3)保証人や連帯保証人が請求を受ける

返済を滞納していると、借金をするときに立てた保証人や連帯保証人が債務者の代わりに請求を受けることになります。

特に連帯保証人は、先に債務者へ請求するよう主張できる「催告の抗弁権(民法第452条)」や先に主債務者の財産から執行することを求める「検索の抗弁権(同453条)」などの権利が認められません。
そのため、連帯保証人が請求され、その財産が差し押さえられるなど、大きな不利益を受けてしまうことになるのです。

(4)時効が成立しない可能性が高い

最終の返済日から5年または10年が経過すると、時効を援用することで借金は消滅します。
そのため、夜逃げにより債権者から行方をくらまして、返済しないままでいれば時効により借金を返済する必要がなくなると考える人もいるでしょう。

しかし、債権者が裁判を起こして返済を求めた場合、時効が中断(更新)されるため、夜逃げをしても時効が成立する可能性は低いです。これは、債務者の住所などが分かっていなくても、裁判を起こすことができるためです。

借金の返済を求める裁判を起こした場合、通常は債務者の住所に訴状が送られます。
住所が分からなくても、実家などの居所に送ることができ、居所も分からなければ勤務先に送ることができます(民事訴訟法第103条1項、2項)。

さらに、住所や実家などの居所、勤務先なども分からなかったとしても、「公示送達」を行うことで裁判を起こすことができます(民法第98条1項)。
公示送達とは、裁判の相手方の所在が不明で訴状を送れないような場合に、裁判所の掲示板に2週間掲示することで、訴状を送ったのと同じ効力が発生する手続きです。

公示送達が行われると、債務者が知らない間に裁判が始まってしまい、債権者の言い分のみが認められた判決が下されてしまいます。
その結果、時効が成立することなく、判決によって借金の返済が命じられることになるのです。

(5)借金返済のお悩みは弁護士にご相談を

多額の借金を抱え返済が困難になってしまったら、夜逃げをするのではなく、まずは弁護士に相談することが重要です。
弁護士であれば、借金の金額や収入の状況などに応じ、任意整理や個人再生、自己破産など、相談者に最適な解決策を提案してくれます。

また、弁護士に依頼することで、債権者に受任通知が送られ、受任通知を受け取った債権者は、債務者に直接督促することができなくなります。
債権者からの連絡に怯えることなく生活ができるようになる点も、弁護士に依頼する大きなメリットと言えるでしょう。


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